TQC おもり落下試験器(インパクトテスター)
準拠規格
ISO 6272:1993, ISO 6272-1, ISO 6272-2, JIS K 5600-5-3:1999
ASTM D 2794, ASTM D 5420, AS/NZS 1580.406.1, BS 6496:1984, EN 12206-1:2004, EN 13523-5
特徴
- おもりを落下させ変形させたときの塗膜のワレやはがれを確認します。
- 各規格に適合したキットを用意しています。
- 各キットとも簡単に組立ができます。
画像はいずれもインダイレクトモデルです
- ◆再現性の高い方法はどれですか?
再現性の高さから、研究者や試験現場では「落体式」が採用されているそうです。
その理由を研究者に尋ねましたので、ご参考までにご紹介いたします。
耐おもり落下試験としてJIS K5600-5-3では、落体式(Falling-weight)、落球式(Falling ball)、デュポン式(DuPont method)の3つの方式が紹介されています。受け台とその径などの規定の無い落球式は再現性が悪いため現在世界的には採用がほとんど見られないようです。
以下はISO委員に問い合わせた際の回答です。ご質問が多いためご参考までに掲載させていただきます。
「再現性の高さから、3種類の中では落体式が取り上げられ、これを軸に試験精度を高めるための研究が行われています。その成果がISO 6272-2(インダイレクト:間接落下)となり、落体式はさらに進化を続けています。日本では翻訳の遅れから、まだJISに掲載はされてはいないようですが、インダイレクト方式は試験板上にパンチを静置し、そのパンチに円筒にガイドされたおもりが落下するため、従来のダイレクト方式に比べて瞬間的な力のズレが生じにくくなります。ダイレクト方式では衝撃の瞬間にはずもうとする力が働くため、力の軸がズレますが、インダイレクトはその現象を抑制できるためそれだけ再現性が高くなります。現在、インパクトテストについては再現性が論点になっており、この意味でも3方式の中では落体式に採用が集中しています」
なお、デュポン式の本家である米国ASTM規格も、落体式のインダイレクトはASTM D2794として規格に採用しました。ISO-ASTMの垣根を超えて落体式の研究が進んでいます。
落体式(ISO インパクトテスター)への移行のお勧め
落球式体から落体式への流れ
落球式と同様にインパクトテスター(落体式耐衝撃性試験)も、同じJISJIS K 5600-5-3(ISO 6272)の『耐衝撃性』試験に属します。
落球式は衝撃試験の初期モデルで、現在では再現性の点で本質的な課題を抱えている方法と考えられており、一般の国際的な塗膜品質の管理規定からも外されてきています。
塗膜品質を定めたQualicoat 2006やQualisteelcoat 2008でも落体式を使用することを定めていますのでこの機会に信頼性の高く、認知度の高いインパクトテスター(落体式耐衝撃性試験)に変更されてはいかがでしょうか?
落球式から落体式に切り替える際の試験条件(参考資料)
例えば落球式で、重さ300gの鋼球を、高さ50cm(=500mm)から落下させた場合は、1.5Nmの衝撃を加えたことになります。
これを最新のISO 6272-2:2002で試験した場合、おもりの重さは1kgですので、15cm(=150mm)の高さから落下していただくことになります。
落体式を規定するISO 6272-1(ダイレクト方式)と最新のISO 6272-2(インダイレクト方式)
インダイレクト(間接衝撃)方式の方がより再現性に優れています。
ISO 6272-1(ダイレクト方式)が対象とする試験体の厚さは1.2mmで、これに対してISO 6272-2:2002(インダイレクト方式)では試験体の最大厚みは4.5mmとされています。
ダイレクトとインダイレクト(間接)の違いについて
ダイレクトは試験片に直接おもりが落下します。インダイレクト(間接)では試験片上に固定されたパンチに対しておもりが落下するため、おもりが直接試験片には落下しません。
ご注文&価格のお問い合わせは…
モデル名称 | 仕様・内容 | 商品コードNo. |
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TQC Sheen インダイレクトインパクトテスター ISO6272-2キット |
ISO 6272 Part2 と ASTM D2794に適合 パンチ径:φ12.7, φ15.9 受け台:φ16.3 mm おもり重量:1kg 対象試験片の最大厚さ:4.5mm |
KT-SP1880 |
TQC Sheen ダイレクトインパクトテスター ISO6272-1キット |
ISO 6272 Part1に適合 おもり先端:φ20mm 受け台φ27mm おもり重量:1kg 対象試験片の最大厚さ:1.25mm |
KT-SP1890 |
TQC Sheen ダイレクトインパクトテスター ASTM G14キット |
ASTM G14に適合 おもり先端:φ15.9mm 受け台: おもり重量:1.361kg |
KT-SP1895 |
TQC Sheen ダイレクトインパクトテスター ISO6272-1& ASTM 旧D2794キット |
ISO 6272 Part1 と ASTM D2794 (1993年以前)に適合 <ISO6272-1用> おもり先端:φ20mm 受け台:φ27mm おもり重量:1kg <ASTM 旧D2794用> おもり先端:φ15.9mm 受け台:φ16.3mm おもり重量:0.9Kg |
KT-SP1891 |
本体の大きさと重さ:
各種の規格との適合性
商品コードNo. | KT-SP1880 | KT-SP1890 | KT-SP1891 | KT-SP1895 | KT-SP1896 |
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衝撃のタイプ | インダイレクト | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト | ダイレクト |
ISO 6272-1:2002 | ● | ||||
ISO 6272-2:2002 | ● | ||||
ISO 6272:1993 | ● | ||||
ASTM D 2794:2004 | ● | ||||
ASTM G14-04 | ● | ||||
JIS K 5600-5-3:1989 | ●※ | ● | |||
EN 12206-1:2004 | ● | ● | ● | ||
EN 13523-5:2001 | ● | ● | |||
AAMA 2605-05 | ● | ● | |||
Qualicoat 2006 | ● | ● | |||
Qualisteelcoat 2008 | ● | ● |
本表は商品コードNo.のキットがどの規格に適用できるかを表したものです。
オプションパーツを使用することで表では不可とされていても適用できる場合も多くあります。
※JIS K 5600-5-3ではダイレクトタイプが記載されていますが、現在のJISは基本的にはISOの規格を補足等を加えながら翻訳版として成立しています。したがって、翻訳はまだ間に合っていないものの本規格を適用できる立場にあるとの認識がされています。
校正証明書
購入時に添付 | 別途費用で添付 | |
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校正証明書/Certificate of Calibration | ― | ― |
検査成績書/Certificate of Test | ― | ― |