対象規格
JIS K5600-5-3(耐おもり落下性), ISO6272
試験の目的
塗膜がおもり落下により変形したときの割れ及び金属素地からのはがれの抵抗性を評価します。
ここでは以下の3種のうちの落体式(Falling-weight method)についてご説明します。
おもり落下性試験には次の3種類があります
落体式(Falling-weight method)… | 先端が丸い円柱状のおもりを外筒に沿って落下させ、塗膜に対する曲げ及び伸びの抵抗性を評価します。デュポン式との違いは撃ち型と受け台とのすき間が3.5mmあることです。 |
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落球式(Falling ball method)…… | 素地の変形がきわめて少ない場合に用いられます。塗膜の表面に球体を衝突させ、その時の塗膜の衝撃抵抗性で、割れ・はがれの有無を評価します。 |
デュポン式(DuPont method)…… | 撃ち型と受け台とのすき間がないので、エッジ部の衝撃と変形を同時に受ける時の抵抗性を評価するものです。 |
準備するもの
(1) 落体式(Falling-weight method)試験装置(概要は右図参照)
落下おもり:直径20±3mmの球状の頭部をもつ全質量1,000±1gのおもり落下装置を用います。なお、1,000±1gの追加質量を頂部に載せることができます。
垂直円筒 :1mの高さからmm単位で目盛を付けます。
(2) 試験板
最低厚さは0.25mm、端から20mm以上離れた箇所で、お互いに40mm以上離れた最低5箇所でテスト可能な大きさのものです。
手順
実際の装置を例に手順をご説明します。
評価方法
(1) 合否判定の場合
予め決められた通りに塗膜を上向きもしくは下向きに支持台の上に置きます。規定の高さにおもりを固定し、落下させます。倍率10倍の手持ちルーペで、塗膜に割れやはがれがないか観察します。
(2) 等級付け試験の場合
塗膜を上向きにして支持台に置きます。ひび割れなどを起こさないと思われる高さからおもりを落下させます。倍率10倍の手持ちルーペで観察し、塗膜に割れやはがれがなければ25mm(もしくは25mmの倍数)だけ高さを増やして試験を繰り返します。