対象規格
JIS K5600-5-11(耐洗浄性), ISO11998
適用範囲
塗膜の耐湿潤性摩耗性測定のための促進試験です。洗浄性は本JISでは「洗浄操作によって規定のと膜厚より大きい塗膜厚が除去されずに汚染材剤の浸透に耐え汚染材を除去できる乾燥塗膜の性能」と定義されています。
方法
- ● 耐湿潤摩耗性試験の場合
- 規定のすきま(ウェット膜を形成するためのギャップ)のフィルムアプリケータを用いて、試料(塗料など)を試験板に塗布します。乾燥・養生後に塗装試験片の質量を計り、湿潤試験装置で特に他に協定で取り決めをしなければ200サイクルの湿潤摩耗試験を行ないます。試験後に洗浄・乾燥させ、塗膜厚の平均損失量を求め規定値と比較することで等級を格付けします。
- ● 洗浄性の場合
- 規定のすきま(ウェット膜を形成するためのギャップ)のフィルムアプリケータを用いて、試料(塗料など)を試験板に塗布します。乾燥・養生後に汚染剤を塗布し規定時間放置します。湿潤試験装置で特に他に協定で取り決めをしなければ200サイクルの湿潤摩耗試験を行ないます。塗布された汚染剤が除去されてなおかつ塗料は湿潤摩耗性を持つときその塗膜は汚染剤に対して洗浄可能であると言うことができます。
試験片・装置
- ● 試験板:十分な硬さのある可塑化PVCフィルム※1。寸法は厚さ0.25mm、長さ430mm、幅は少なくても80mm以上のもの。
- ● フィルムアプリケーター:塗布幅が60mm以上のドクターブレードを取り付けたフィルムアプリケーターを用いて速度10~15mm/秒で塗布します。自動アプリケーターが望ましいとされています。
- ● 湿潤摩耗試験装置:有効行程長さ(有効ストローク)が300±5mmで、毎分37±2磨耗サイクルで作動するサイクルカウンター(回数表示)を備えたもの。
- ● 研磨パッド:研磨剤を埋め込んだ大きさ90±0.5mm×39±0.5mmの不織プラスチック材料※2。
※ JISでは入手可能先を紹介しています。
※1) 可塑化PVCフィルム:LENETA社
※2) 研磨パッド:3M Scoch Brite Handpads No.7448, Type S, Grade UFN, Grey から切り取って使用。