「手かき法で実施してもよいが、機器を用いることが望ましい。」と注記が加えられ、機器使用が原則となりました。
試験機の主な要件は次の通りです。@水準器がついている。A本体は金属製で車輪が2つ付いている。B鉛筆を45±1°で保持できる。C鉛筆先端が塗膜に対して750±10gの荷重がかけられるように設計されている。
少なくても7mmの距離を押します。肉眼で観察して少なくても3mm以上のきず跡が生じるまで、(鉛筆の)硬度スケールを上げていきます。きず跡を生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度と言います。
鉛筆は国内メーカーでは三菱Uniが示されています。特殊なけずり器等を使用して円筒状のしんをそのまま5〜6mm残してください。
750g荷重専用モデル |
試験機法と手かき法の2方法が規定されていますが、手かき法は試験機法を忠実に手で持って行なうことになりますので、試験機法を簡単にご紹介します。
試験機の要件は次の通りです。@試験片を水平に取り付ける取付台。A鉛筆を45°で保持できる鉛筆ホルダー。B取付台はハンドルで水平に移動できる。C1kgのおもりを台にのせることで鉛筆にその荷重がかけられる。
5回の試験で破れやすりキズが2回未満となる鉛筆の濃度記号を塗膜の鉛筆ひっかき値とします。
旧JISと現在のJISでは荷重が異なります。その差異を確認しないと過去の試験結果は比較対象になりませんので、750g荷重と1kg荷重の両方の試験ができるデュアルモデルをご用意しております(右写真)。
ウェイトを交換できるデュアルモデル フィルム硬度測定用500g荷重モデル |
アルミニウム塗装品質規格であるQUALICOATでも採用されている規格です。
試験機は一般にブッフホルツ押込み硬さ試験器と呼ばれていて、押込みにより変形する塗膜についてその押込みに対する抵抗を測定し硬度とします。
具体的には、水平に置かれた試験片の塗膜の上に、測定器(右写真)の押込み部をそっと置き、30秒後に測定器と取り除きます。そのまま35秒間放置し、目盛りが内蔵されたマイクロスコープで塗膜に残った痕跡の長さを観察・測定します。試験器に添付された表から、読み取った痕跡長さをもとに、予め測定しておいた最小膜厚に該当するBH(抵抗)値を調べます。
ファインダー内の |
比較的軟質の塗膜やプラスチックあるいはゴムの硬さを測定するのに適しています。一般にはスプリング式のデュロメーターと呼ばれる硬度計を使用します。
使い方は次の通りです。フット部の押針(インデンタ)が試験サンプルを垂直に押すようにデュロメーターを置きます。押針がサンプルを押込み、フット部がサンプル表面に完全に接するまで押し当てます。そのときの値を読み取ります。
ペンデュラムハードネステスター(PENDULUM HARDNESS TESTER)を用いて測定します。Pendulumは振り子という意味ですが、「塗膜上を支点とする振り子の減衰は塗膜がやわらかいほど速くなる」という原理を利用し、非破壊で硬度の評価を行ないます。
試験サンプルを装置内のテーブルの上に置き、塗膜に振り子の支点となるボールが接するように振り子を置きます。ケーニッヒ振り子では6°、ペルゾー振り子では12°の位置に振り子を固定します。ケーニッヒでは振幅が3°になるまで、ペルゾーでは4°に減衰するまでの時間を正確に測定します。
右写真の最新モデルでは、一連の測定動作を全自動で行なうようになっています。