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User Calibration の効果例1

使用した粉体塗料
Particle Size:35~38μm Polyester Powder
使用した粉体塗装機
Conallshot:トリボ(摩擦帯電)方式
使用した被塗物
SPCC 板厚0.8mm 平板
実験ご協力:株式会社三王

膜厚が大きく異なる場合でも調整(Calibration)は有効か?

Color Calibration 測定値μm 誤差Δ
TAG 硬化後膜厚 μm
Blue Factory 108.3 117 -8.7 -7.4%

同じ青色の粉体塗料で厚膜に塗装しました。予め用意されているメーカー出荷時の調整値(Calibration)を使用して測定しました。
誤差は拡大しています。

Color Calibration 測定値μm 誤差Δ
TAG 硬化後膜厚 μm
Blue User 109.8 119 -9.2 -7.7%

今度は1項の実験で使用した50μm前後の粉体塗装板で得られた調整値を用いて測定してみましたが、改善は見られませんでした。

↓
Color Calibration 測定値μm 誤差Δ
TAG 硬化後膜厚 μm
Blue User 106.5 104 2.5 2.4%

100μm前後の粉体塗装板を用意して、硬化前の粉体状態をTAGで測定。硬化後の膜厚を電磁式膜厚計で測定し、その値でTAGを調整(Calibration)してから測定した結果です。
対象膜厚が大きく異なるときには、新たに調整を行うことが必要です。

User Calibration の効果例2

工場出荷時の状態で測定した場合
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Black Factory 56.5 49.4 -7.1 -12.6% ×
対象膜厚にごく近い膜厚で校正した場合
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Black User 52.6 56.5 58.1 1.6 2.8%
対象膜厚よりずっと厚い塗膜で校正した場合
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Black User 56.5 19.7 60.7 41 208.1% ×

User Calibration の効果例3

対象膜厚にごく近い膜厚で校正した場合 Case1
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Gray User 59.7 62.5 -0.3 -0.5%
対象膜厚にごく近い膜厚で校正した場合 Case2
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Gray User 101.6 104.0 105.7 1.7 1.6%
対象膜厚よりずっと厚い塗膜で校正した場合
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Gray User 106.0 61.2 61.0 -0.2 -0.3%
対象膜厚よりずっと薄い塗膜で校正した場合
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Gray User 61.2 106.0 105.0 -1.0 -0.9%
工場出荷時の状態で測定した場合 Case1
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Gray Factory 62.5 54.9 -7.6 -12.2% ×
工場出荷時の状態で測定した場合 Case2
Color Calibration 校正塗膜厚(μm) 測定値(μm) 差異Δ 差異% 適用性評価
A. 電磁誘導式膜厚計 B. TAG B-A B-A
Gray Factory 104.0 99.9 -4.1 -3.9% ×

User Calibration の効果例4  板厚の影響

  1. ①板厚1mmの鉄板でキャリブレーションを実施
    板厚1mmの鉄板に粉体塗装を行う→TAGで厚みを非接触で測定→粉体を硬化→膜厚を高精度電磁式膜厚計で測定→その値でTAGをキャリブレーション
  2. ②このキャリブレーション値で、板厚0.5mmの鉄板上の粉体層と板厚0.3mmの鉄板上の粉体層の厚みを測定
  3. ③上項の②の鉄板を硬化させ、膜厚を高精度電磁式膜厚計で測定し、TAGでの測定結果と比較する
板厚 0.5mm 0.3mm
A. TAG膜厚値(硬化前粉体層で測定) 65.2μm 68.1μm
B. 高精度電磁膜厚計(硬化後測定) 65.3μm 62.9μm
差異Δ(A-B) -0.1 5.2
差異% 0.2% 8.3%
評価

考察:
極端に板厚が薄い部分については、その板厚でキャリブレーションをした方が正確です。

追加検証:
板厚0.3mmの鉄板上の粉体測定の条件でキャリブレーションを行い、別途塗装した板厚0.3mm鉄板上の粉体層で精度を再確認しました。

板厚 0.3mm
A. TAG膜厚値(硬化前粉体層で測定) 50.9μm
B. 高精度電磁膜厚計(硬化後測定) 49.4μm
差異Δ(A-B) 1.5
差異% 3.0%
評価 〇~△
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