バーコーターで塗工する場合、バーは塗工液の下の基材の上を滑るように移動します。このため、均一な膜厚を得るためにはバー全体を均等に押さえることが重要になります。しかし、現実には手で持って塗工する場合には、バー全体に均一な荷重をかけることは困難です。
このような場合には、基材の下にラバーマットを敷くことにより、ある程度改善されると言われています。
実験で検証してみました。
基本条件
- (1) 自動塗工装置
- ラバーマットを敷くことができるのは、ベースプレートがガラスである場合に限られます。したがって、全自動アプリケーターマルチベース+ガラスプレートを使用しました。
- (2) バーコーター
- ①ワイヤ(スパイラル)バーコーター カタログ値10μm用
- ②ワイヤレスバーコーター カタログ値10μm用
- (3) 塗工速度(移動速度)
- 5mm/秒



ラバーマット あり vs なし の比較 均等にバーを押さえた場合


均等にバーに荷重がかかる自動塗工機を使用した場合、ラバーマットを使用した効果はあまりないように思います。

ラバーマット あり vs なし の比較 バーの押さえ方に偏りが生じた場合


ウエイトを片側だけにして、意図的にバーにかかる荷重に偏りを与えました。

バーにかかる荷重に偏りが生じると、予想以上に膜厚にバラツキが生じました。 ワイヤーバーコーターを例にとると、バラツキは1.8→2.9に悪化しています。 ラバーマットを使用すると、ワイヤーバーコーターは偏差が2.9→2.2に改善しました。

- ◆特にバーを押さえる荷重に不均一が生じることが避けられない手塗りの場合には、ラバーマットは有効であると思います。
それでも均一な自動塗工にはかないません。