公表している断熱ボックスの耐熱性能は一般的な風速の熱風循環炉に基づくものです。熱伝達の速い赤外線炉の場合は使用可能時間を短めに考える必要があります。
輻射(照射)の効果を加味して使用時間を決めないと、熱緩衝吸収材やデータロガーCURVE-Xの過熱を引き起こし、最悪の場合故障する恐れがあります。
エネルギー密度の違い
一般的な風速の200℃雰囲気の熱風循環炉の場合5kw/m2以下、遠赤外線発熱体のエネルギー密度はおよそ20kw/m2、中赤外線の場合は50kw/m2、近赤外線では100kw/m2以上と言われます。各赤外線のエネルギー密度は発熱体自体の値ですので、炉内における各発熱体の設置密度や反射構造により対象製品に与えられるエネルギーは大きく異なります。しかし、概して昇温能力はかなり高いものとなります。
赤外線の場合、雰囲気温度を超えた温度に対象物を加熱することも可能です。例えば夏の炎天下で車のボンネットの温度が気温を大きく超えて熱くなるのは、日射に大量に含まれる近赤外線による加熱効果です。炉内の雰囲気温度だけで判断するのは危険です。
また、輻射は対流とは異なり、対流加熱時に対象物との温度差により生じる境膜の影響を受けず、直接対象物を加熱します。対象物の表面に盛んにエネルギーが供給されるため、いわゆる押込み型の熱伝導が生まれ、内部への熱伝達も速くなります。
これらの影響により、断熱ボックスの使用可能時間も短くなります。
大雑把な傾向としては、中赤外線炉では1.5分の1~2分の1、近赤外線炉では2分の1~3分の1が目安になります。
『炉の条件ご記入シート』ご記入のお願い
製品の性格上、ご使用の炉の条件から適する耐熱性能の断熱システムを採用することがたいへん重要になります。
メーカーより、『炉の条件ご記入シート』にご記入いただき、それを踏まえてシステム内容や価格のご案内をするように指示を受けております。
お手数ですが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。