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圧縮空気のコストと危険性について

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1. 圧縮空気のコスト

使用空気量は1日の中の時間や季節変動が大きいため、年間の電力量と空気流量の合計を実測して、年間平均コストを算出する必要があります。

圧縮空気のコスト

2. 一般的なコストの一例

工場におけるコスト分析の一例をご紹介すると下図のようになりました。

工場におけるコスト分析の一例

電力費が全体の65〜75%を占めるのが標準的であるようです。
本例における圧縮空気のコストは約3円/m3でした。

設備償却費は使用量にかかわらず負担しなければなりませんので、純粋なランニングコストは2〜2.2円/m3程度となります。
圧縮空気の使用量が削減できると、2円/m3の割合でコスト削減ができると期待されます。

騒音レベル

3. 銅パイプ(オープンパイプ)の空気消費量と騒音値

パイプ内径 騒音レベル 空気消費量 年間ランニングコスト
φ2mm 84dB(A) 8Nm3/h \16,896
φ2.5mm 87dB(A) 12Nm3/h \25,344
φ3mm(1/8”) 90dB(A) 17Nm3/h \35,904
φ4mm 95dB(A) 30Nm3/h \63,360
φ5mm 99dB(A) 47Nm3/h \99,264
φ6mm(1/4″) 102dB(A) 67Nm3/h \141,504
φ7mm 105dB(A) 92Nm3/h \194,304
φ8mm 108dB(A) 118Nm3/h \249,216
φ10mm 112dB(A) 185Nm3/h \390,720
φ12mm(1/2″) 116dB(A) 266Nm3/h \561,792
φ14mm 119dB(A) 363Nm3/h \766,656
φ16mm 122dB(A) 474Nm3/h \1,001,088
φ17mm 123dB(A) 536Nm3/h \1,132,032
φ18mm 124dB(A) 599Nm3/h \1,265,088
φ20mm(3/4″) 126dB(A) 740Nm3/h \1,562,880
φ25mm(1″) 131dB(A) 1,159Nm3/h \2,447,808

※ 稼働時間は8時間/日、22日/月。稼働率は稼働時間の50%。ランニングコストは2円/m3で計算
※ 供給圧力は500KPa(0.5MPa)時

4. 先端をエアーノズルに交換した場合の効果

パイプ内径 候補となるノズルの例 騒音レベルの低減 ノズルの空気消費量 空気消費量の差
(▲m3/h)
年間ランニングコスト
削減額
▲dB(A)
φ2mm AT-MJ4 ▲8dB(A) 43% 4Nm3/h 4Nm3/h \8,448
φ2.5mm AT-MJ5 ▲8dB(A) 43% 10Nm3/h 2Nm3/h \4,224
φ3mm(1/8″) AT-MJ6 ▲8dB(A) 43% 14Nm3/h 3Nm3/h \6,336
φ4mm AT-512 ▲16dB(A) 67% 19Nm3/h 11Nm3/h \23,232
φ5mm AT-700M ▲15dB(A) 65% 25Nm3/h 22Nm3/h \46,464
φ6mm(1/4″) AT-920A ▲21dB(A) 77% 30Nm3/h 37Nm3/h \78,144
φ7mm AT-973 ▲19dB(A) 73% 58Nm3/h 34Nm3/h \71,808
φ8mm AT-404L ▲24dB(A) 81% 68Nm3/h 50Nm3/h \105,600
φ10mm AT-705 ▲20dB(A) 75% 95Nm3/h 90Nm3/h \190,080
φ12mm(1/2″) AT-707L ▲22dB(A) 78% 120Nm3/h 146Nm3/h \308,352
φ14mm AT-710 ▲20dB(A) 75% 216Nm3/h 147Nm3/h \310,464
φ16mm AT-412L ▲34dB(A) 89% 204Nm3/h 270Nm3/h \570,240
φ17mm AT-715C ▲23dB(A) 80% 311Nm3/h 225Nm3/h \475,200
φ18mm AT-715L ▲20dB(A) 75% 312Nm3/h 287Nm3/h \606,144
φ20mm(3/4″) AT-720 ▲22dB(A) 78% 420Nm3/h 320Nm3/h \675,840
φ25mm(1″) AT-730C ▲26dB(A) 84% 636Nm3/h 523Nm3/h \1,104,576

※ 稼働時間は8時間/日、22日/月。稼働率は稼働時間の50%。ランニングコストは2円/m3で計算
※ 供給圧力は500KPa(0.5MPa)時

5. 全体の圧力を下げることによる経済効果

圧力を100KPa(0.1MPa)上げるごとに約8%消費空気量が増加すると言われています。
最も高い圧力が求められている箇所に高効率なエアーノズルを使用することで、全体の供給圧を下げられないか検討することもたいへん効果があります。

6. 製造業における聴力喪失の70%以上が圧縮空気に起因するものでした

欧州の調査では、製造業に従事する方の聴力喪失の原因は、その70〜80%が圧縮空気によるものであったと報告されています。
『最初は気になっていたシャーっという空気の音も最近は慣れて気にならなくなってきた。』・・・実はこれは大変危険な兆候です。
人の耳は騒音に慣れるということはほとんどなく、多くの場合は聴力が深刻なダメージを受けている兆候です。
ダメージを受けて失った聴力は現在の医学レベルでは回復がきわめて困難です。
また、騒音は「集中力の欠如」「耳鳴り」「頭痛」などを引き起こし、工場内の事故の原因ともなっています。

7. 『音が大きい=噴射力が強い』はカン違いです

音の原因は乱流にあります。一定の方向に規制された層流は音が静かです。
ノズル自体から発する音が大きいということは、多くの乱流が生まれていて「たくさんの空気を使う割にはブロー効果が小さい」ことを示しています。

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