年に1回の検査が重要な理由
データロガーの測定精度を表す指標としては、Static と Dynamic があります。オーブンデータロガーは、温度変化を想定しない Static状態だけにあるわけではありません。測定開始時にはデータロガーとプローブの温度は20℃でも、計測中はデータロガーの温度は50℃を超えることもあり、プローブは150℃や200℃を超えることになります。温度が上昇したとき=Dynamic時の精度が実際には重要になります。
また、データロガーはこのようなヒートサイクルを受けても故障しない耐久性が求められます。一般の温度測定器やデータロガーを断熱ボックスに入れたとしてもオーブンロガーとして適切ではない理由がここにあります。
そうはいっても、データロガーはヒートサイクルにより基板回路の特性変化を起こします。年に1回の校正検査は、この特性変化による精度の劣化を確認するばかりでなく、搭載されているオペレーションソフトにより特性の変化を吸収するための「調整」を行っています。この調整を怠り変化を累積させてしまうと、調整では対応しきれない「故障」に至ることがあります。少なくとも年に1回は「調整」を必ずお受けください。