TQC 船体表面粗さ計/ハルゲージ/Hull Roughness Gauge 粗さ計の開発経緯

準拠規格

英国BSRA(ビスラ)のHull Roughness Gauge の後継&進化モデルと正式に評価を受けた※ハルゲージ(船体表面粗さ計)
Rt(50)を12点計測しMHRを求め、最終的に全体平均船体粗さ(AHR)を決定します

※2012年のSMM(隔年で開催される海運業の主要な国際的フォーラム・展示会:Hamburger)においてBSRAの後継機としてオフィシャルに紹介を受け実演を行った
BMT社と研究機関の共同研究によって誕生した粗さ計の正統な後継機として承認され2014年にはNACE防錆部門アワードにノミネートされた
PPGより同社が実施した比較テスト結果からBSRAの粗さ計と同じ計測特性を持つことが確認され後継機としてそれまでのデータを引き継げるとの見解を得た

BSRA(ビスラ)協会からBMT社へ

測定装置の開発の船出は、BSRA(英国造船研究協会)によって1950年に行われたLucy ashton号における船体表面の抵抗実験まで遡ることになります。その実験により船体表面の状態が船のパフォーマンスに与える影響の大きさが客観的に判明しました。以来BSRA(ビスラ)協会は船体表面粗さを適切に測定できる装置の開発に注力することになります。そして、長年の開発の結果プロトタイプが誕生しました。
BSRA協会はその後民営化され、BMT社(British Marine Technology )に改組されますが、粗さ計の改良は継続されました。

BMT社が改良を継続

BMT社は、ニューキャッスル大学とティーズサイド大学との共同研究を進めました。ニューキャッスル大学の船舶性能研究グループ(Ship Performance Group)は147回の船体調査を行ないによって船体表面粗さの測定基準を確立しました。
ティーズサイド大学における船舶性能研究グループによる研究は、コンピュータ上で統計分析を行えるようにするため、船体表面粗さ計のデジタル化を進めました。
このようにしてBSRA協会からBMT社に受け継がれた測定装置の基本的な測定原理は、船体の表面に測定部の車輪を接しさせ直線に動かし、表面の凹凸をトレースする針により粗さを測定し、そのデータを表示するユニットへ送るというものでした。採用された測定針の先端は球状でした。

BMT社 船体表面粗さ計

BMT社が改良を継続

そして、この設計思想はさらにBMT社の技術協力を得てTQCに引き継がれ、先進のエレクトロニクスと情報処理技術を注入し、今日のTQC HULL ゲージへと進化したのです。
進化は具体的には大幅な小型軽量化と現場での精度を確保するためのキャリブレーションシステムにも表れています。

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