TQC コンパクト&多機能膜厚計 PICCORO セルフキャリブレーション [Model No. KT-LD800]

セルフキャリブレーション

通常は以下のセルフキャリブレーション(JIS用語は校正、調整とも言われます)を行います。

  • 1点セルフキャリブレーション(1点調整あるいはゼロ点調整=素地調整)
    ゼロ点調整あるいは素地調整とも言われるセルフキャリブレーションです。
  • 2点調整
    2点調整を行なうことで理想的な精度すなわち±(1~3%+2μm)以内の誤差となる精度を得ることが可能になります。
  • 多点調整
    素地が粗面(凹凸がある)である場合や想定される膜厚範囲が広い場合などに有効です。

ゼロ点調整(素地調整)

  1. ①通常の測定モード画面(上部にRootの表示があるメニュー画面の場合にはZEROボタンで測定モード画面に戻ってください)が表示されている状態で、CALボタンを押しキャリブレーションモードに入ります。
  2. ②膜厚計のプローブ部を未塗装の素地上に垂直に当ててください。ピーという音が1回したら膜厚計を5cm以上持ち上げます。LCD画面には数値が表示されます。
  3. ③3回ピーという音が繰り返されるまで、ZEROボタンを長押しします。
    LCD画面には測定値欄に0が表示され、ZEROのシンボルマークが右下に表示されます。
  4. ④もう一度未塗装の素地上に垂直に当て、再現性を確認します。数回行ってください。
    再現性が得られない場合には、②~③の動作をもう一度行ってください。
    ※0と表示されることに加えて、ときおり-1~1の数字になるのは正常範囲です。
  5. ⑤CALボタンを再び押すと、キャリブレーションモードが終了します。

2点調整(標準調整)…ゼロ点調整に加えてフォイルでもう1点調整する

  1. ①通常の測定モード画面(上部にRootの表示があるメニュー画面の場合にはZEROボタンで測定モード画面に戻ってください)が表示されている状態で、CALボタンを押しキャリブレーションモードに入ります。
  2. ②膜厚計のプローブ部を未塗装の素地上に垂直に当ててください。ピーという音が1回したら膜厚計を5cm以上持ち上げます。LCD画面には数値が表示されます。
  3. ③3回ピーという音が繰り返されるまで、ZEROボタンを長押しします。
    LCD画面には測定値欄に0が表示され、ZEROのシンボルマークが右下に表示されます。
  4. ④もう一度未塗装の素地上に垂直に当て、再現性を確認します。数回行ってください。
    再現性が得られない場合には、②~③の動作をもう一度行ってください。
    ※0と表示されることに加えて、ときおり-1~1の数字になるのは正常範囲です。
  5. ⑤続いて未塗装の素地の上にフォイル(校正標準片、シムとも呼ばれます)を置き、その上から膜厚計のプローブ部を垂直に当てます。ピーという音が1回したら膜厚計を5cm以上持ち上げます。LCD画面に測定値が表示されます。アップボタンもしくはダウンボタンを押して、表示された数値をフォイルの校正値に一致させます。
    アップもしくはダウンボタンを押した時点でLCD画面のCALIBRATIONの下にPt1に続いて測定値が点滅表示されます。Pt1の1は0点調整以外の1つ目の調整点であることを示しています。
  6. ⑥数値が適切であれば左ボタンを押し点滅表示を確定させ、1点目の調整を終了させます。もし適切でないなら右ボタンで数値を取り消し、1点目の調整を終了させます。
    適切でない場合には、左ボタンで確定させずにもう一度フォイルの上から測定します。
  7. ⑦調整作業を終了させる場合にはCALボタンを押します。
  • バッチNo.ごとに個別にゼロ点調整、2点調整、あるいは次項の多点調整を行なうことができます。
  • バッチに新たに調整を行った場合、それ以前のバッチに格納されている測定値に新しい調整結果は反映されません。
  • 調整作業は、連続測定モードではなくシングル測定モードで行なってください。

多点調整

  1. ①~⑥は2点調整と同じです。
  2. ⑧2つ目のフォイルを素地上に置きます。
  3. ⑨その上から膜厚計のプローブ部を垂直に当てます。ピーという音が1回したら膜厚計を5cm以上持ち上げます。LCD画面に測定値が表示されます。アップボタンもしくはダウンボタンを押して、表示された数値をフォイルの校正値に一致させます。LCD画面にはPt2に続いて測定値が点滅表示されます。Pt2は2つ目の調整点であることを示しています。
  4. ⑩数値が適切であれば左ボタンを押し点滅表示を確定させ、1点目の調整を終了させます。もし適切でないなら右ボタンで数値を取り消し、1点目の調整を終了させます。
    適切でない場合には、左ボタンで確定させずにもう一度フォイルの上から測定します。
  5. ⑪続けて調整点を加える場合には⑧~⑪の動作を繰り返します。
  6. ⑫調整作業を終了させる場合にはCALボタンを押します。
<注記>
4点まで調整点を設定すると、再設定する前に設定した調整をクリアにしなければなりません。

ブラストされた素地

ブラストされた粗面は膜厚の測定値に大きな影響を与えます。

<対処方法1>
  1. ①2点調整を行います。ただし、測定対象物と同じ素地で(曲面であるなら同じ曲面の)平滑な素地を用意し、それを用いて行います。
  2. ②塗装されていないブラスト素地上で10回程度測定し、平均値Aを算出します。
  3. ③実際にブラスト素地上に塗装された測定対象品で10回程度測定し、平均値Bを算出します。
  4. ④膜厚Tを次式から求めます。T=(B-A)±S  S:ステップ②と③の最大標準偏差
<対処方法2>
  1. ①ブラスト素地上で2点調整を行います。
  2. ②実際にブラスト素地上に塗装された測定対象品で10回程度測定し、平均値を算出し、それを膜厚とします。

セルフキャリブレーションのクリア

新しい塗装製品の測定のためにそれまでのキャリブレーションをクリアにすることができます。

  1. ①左ボタンを1回押し、表示をメニューモードに切り替えてください(最上部に『Root』が表示されます)。
  2. ②アップボタンもしくはダウンボタンで Calibration を反転表示させ、左ボタンで選択確定します。
  3. ③アップボタンもしくはダウンボタンで 『Clear All』もしくは『Point Cal』あるいは『Zero Cal』 を反転表示させ、左ボタンで選択確定します。
  4. ④『Direct 』『General 1』~『General 4』が表示されますのでアップボタンもしくはダウンボタンで選びたい項目を反転表示させ左ボタンで選択確定してください。
  5. ⑤確認画面が表示されますので、そのままキャリブレーションをクリアにするのであれば左ボタンを押します。
<注記>
すべての操作は現在使用のバッチ(グループ)に関してのみ有効です。他のバッチには影響は及ぼしません。
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